蒼い星と、きみと、キャンプへ ~ BRZ サファイアブルー・パールで行く笠置の旅 ~
※この物語はフィクションです
ガレージのシャッターを開けると、朝の光の中にそれはいた。
スバル BRZ。サファイアブルー・パール。

深海の底から光を閉じ込めたような、あの青。見る角度によって群青になり、紺碧になり、夜明け前の空になる。この色と出会ってから、週末が少しだけ特別になった。
キャリーバッグを取り出した途端、助手席から乗り込もうとするポメラニアンを制して、後部座席のバッグへ誘導する。不満そうにメッシュ越しにこちらを見る目が、またかわいい。

エンジンをかける。水平対向四気筒の低く均等な音がガレージに広がる瞬間、今日という一日への期待が、すっと背筋を通っていく。
大阪市内を抜けると、道はみるみる緑を帯びていった。
BRZは、コーナーのたびに路面の状態を正直に伝えてくる。ステアリングから伝わる感触、しなやかに沈み込む車体、アクセルを踏んだ瞬間の蹴り出し。そのすべてが、運転する楽しさにつながっている。

速さを誇示するのではなく「走ること」そのものを楽しむための車だと、こういう道を走るたびに思う。バックミラーの中でポメラニアンが木津川の橋を渡る瞬間の川面の光に反応して、鼻をひくひくさせていた。
笠置キャンプ場の木陰のサイトにテントを張り、折り畳み椅子に腰を下ろす。
川沿いの風が涼しい。リードをつけたポメラニアンが草の上を駆け回り、何かの匂いを嗅ぎ、くるりと振り返ってこちらを確認する。その繰り返しが、なんとも愛おしい。

夕方になると、木津川を挟んだ向こう岸の山が茜色に染まった。バーナーに火をつけてスープを温める。膝の上に乗ってきたポメラニアンの、二キロ少々のちょうどいい温かさ。川の音だけが、静かに流れていた。

夜、テントの外に出ると、星が降るようだった。
ふと振り返ると、BRZのボディが月光を受けて光っている。昼間とは全く違う顔をしていた。
夜の中ではもっと深く、もっと静かで、まるで川の底に沈んだ宝石のようだった。
サファイアブルー・パールとはよく名付けたものだと、改めて思う。

川の音と、星の光と、腕の中の小さな体温と、あのサファイアブルーがそこにある。
それだけで十分な夜だった。来月もまた、来よう。
帰り道、国道163号を走りながらあらためて感じる。
BRZは「速さを見せびらかす車」ではない。路面を正直に伝えるステアリング、低重心のコーナリング、水平対向エンジンの鼓動——すべてが、ドライバーと対話するために設計されている。

そしてこの色。サファイアブルー・パールは、朝の山道では群青に沈み、夕日の中では紺碧に燃え、月夜には深海の青になる。乗るたびに、少しだけ特別な気持ちにさせてくれる。
それがこの車の、本当の魅力かもしれない。
※画像はすべてイメージです
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週末は、お近くのスバルへ









