過渡期に想う
こんにちは、セールスの川本恭平です!
今日は5月10日。GWも終わり、街路樹は新芽で黄緑色の葉を生い茂らせ、バラやツツジ、フジなどの花が咲き誇って花の香がふと街中に広がる季節です。
温かい日差しに気持ちが高まったかと思えば、なかなか止まない雨や五月病などアンニュイな気分になる季節でもあります。
これから新芽は濃い緑色に変わり夏がやってきます。
私はこの時期が大好きです。
春から夏へ、季節の変化とともに私達の生活も変わっていきます。
この中環北堺店でも、4月から新しい仲間が加わり、ショールームをはじめお客様が見てわかるところでも少しずつ変わってきています。いわば過渡期にあるんです!過渡期の先にあるのはきっと今よりもっといい日常でありたい。
そんな過渡期への想い、このひと月程で感じたことを、ふと胸に刺さって離れないいくつかの言葉の断片とともに紹介します。
天野山金剛寺の紙本著色日月四季山水図六曲屏風(画像はレプリカ)について白洲正子は以下のように書いています。
「宗教画が風景画へうつって行く、過渡期の作とみることができる。過渡期というと中途半端の代名詞みたいだが、過渡期ほど多くの可能性を包含し、期待にあふれた時期はない。制作年代は室町とも桃山ともいわれるが、室町こそそういう時代だと私は思っている」
北条氏の執権政治に失望し、後醍醐帝の治世に期待を抱きながらも、結局は自らの手で幕府を切り開くこととなる足利尊氏。「太平記」で描かれる彼の一生は戦に次ぐ戦でありました。大河ドラマや歴史の教科書でもあまり注目されない室町時代ですが、金閣・銀閣寺をはじめとする北山・東山文化は過渡期だからこそあり得た文化なのかもしれません。私はこの言葉の連なりを読んだ時に、なぜか今の季節と重なって、胸が熱くなったのを覚えています。勇気づけられた気がしたのです。
「宗教画から風景がへうつっていく」この言葉は、以前このブログで紹介した19世紀イギリスの巨匠ターナーの絵画を連想させます。19世紀というのは世界史的にそういう過渡期の時代でしょう。イギリスでは産業革命が起こり、フランスをはじめ、ドイツ、アメリカでも革命、改革、内戦が起こりました。日本の明治維新も世界史から見ればその過渡期の一つに数えられます。
「徳川時代、少なくとも封建時代に我々が持っておった学問・人物・教学と、その薫化による後進ーこれが明治日本をして成功せしめた最も代表的な本格的な原因であります。」
けれども、安岡正篤のこの一節を読んだ時は、いわゆる革命と言われるタイミングが突然起きたものではなく、それまでの蓄積があったからこそ起き得たものなのではないかと、私の見る目がガラリと変わりました。萩の松下村塾(画像)、あるいは備前の閑谷学校(画像)を訪れた時、「あぁ、ここで『孟子』『論語』の講義が行われていたのだろうな」と思うと、ここで何百年もかけて学問をしてきたその蓄積があったからこそ、一気に時代は変わりえたのだと深い感慨を覚えたのです。
「何か新しいことを始めると、最初は濁っている。だがやがてそれは清流になり、自然な運動の中で静かに営まれていく。」
2年前に喫茶店の書棚でふと目にして胸から離れないこのワンフレーズ。よしもとばななが引用したフジ子・ヘミングのこの言葉は過渡期の印象をうまく表現しているように思います。(苦節の20世紀を経て21世紀に入り、フジ子・ヘミングは画像のカーネギーホールで公演を成功させました。)
「五月雨を 集めてはやし 最上川」
あるいは、もう一人のバナナマン、松尾芭蕉が詠んだこの一句は5月というこの時期と、よしもとばななが引用した言葉とどこか繋がっているような気がします。(画像は故郷伊賀に建つ芭蕉を表現した建造物。)5月というこの時期の勢いのある流れが、もっといい日常へとアップグレードされていくその過渡期にあるのではないか。そして、その川の流れも元はと言えば、庄内平野、その山間部に何年にもわたって蓄積された水が源流なのであろう。そう考えると、過去から現在、未来へと、様相は変わっても繋がっているのだなと、嬉しいような、誇らしい気持ちになるのです。
自動車業界は大きな過渡期を迎えています。
つながる車がますます増え、電気自動車が町中を走り回る。少しすると完全自動運転車や空飛ぶ車が登場して車に乗りながら別のアクティビティを体験できる。そんな未来も遠くないかもしれません。そんな時代にSUBARUはSUBARUらしい車を届けられるのか。その時代時代で一味も二味も違う体験を届けられるのか。
車は今までの車とは全く違ってくるでしょう。そう考えると寂しさや、車が来るまでなくなってしまうような不安もあります。一方でSUBARUが飛行機会社だった頃に夢見たような「空を駆けたい」という想いが現実になる時も遠くないのかもしれないのです。ドキドキとワクワク。いい意味でこの緊張感が期待に応えられる原動力になるように努めたい。そんな夢を見てしまうのです。
そして、これから販売店でも新しい取り組みがはじまります。それが「オンライン商談」です。
店舗のパソコンとご自宅のパソコンをネットワークで繋ぎ、我々スタッフは店舗から、お客様はご自宅から車の商談ができるというサービスです。
これを使えば、皆さんお気づきのように、ご来場せずにお車の検討ができるので、コロナウイルスに感染するリスクを最小限に抑えることができます。そして、それだけではなく、「店舗に行っている時間はないが、概要だけでも聞いておきたい。」「家族の面倒を見なければならず家からは出られないが車検も近いので新しい車を検討したい。」など今までに聞きたくても聞けなかったことがご自宅にいながら簡単に聞けるようになるんです。
なにせ今までは直接お会いしていたのが、画面越しになりますので、我々もちょっと緊張しています。けれど、オンラインで繋がるからこそ新しい出会いもあるのではないか、そんなことも期待しながら皆さんとお話できるのを楽しみにしています。
最後にキャンペーンのお知らせです。
今週も先週に引き続きVR & リアル試乗体感フェアを実施中です。オンライン、あるいは直接話を聞いて実際に車に触れてみたいと思った方は是非実車に触れ乗ってみてください。乗ってみないとわからないことも沢山あります!
今なら来場されたお客様にはオリジナルハイチュウプレゼント中!(1組様につきおひとつプレゼント。なくなり次第終了です。)この機会に是非店舗にも車を見に来てください。感染症対策をしっかりして皆さんをお待ちしております。